料理・味5.0
雰囲気5.0
接客・サービス5.0
コストパフォーマンス5.0
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接待の店選びで一番気を遣うのは、料理より「相手と向き合う時間を邪魔されないか」だと思う。取引先の社長をお招きした今回、蟹大はその点で選んで正解だった。上野の雑踏を抜けて地下へ降り、石畳の廊下を進むと、襖で区切られた数室だけの座敷が並ぶ。他席の視線が届かず、給仕の出入りも襖越しなので、席に着いてからは目の前の相手と料理だけに集中できる造りになっている。 料理は活本ズワイ蟹を一杯まるごと仕立てる「雅コース」全10品。八寸に始まり、蟹出汁餡の茶碗蒸し、蟹ほぐしとイクラの小丼と、旨みを少しずつ積み上げる序盤が丁寧だった。向付の活蟹洗いは紹興酒の香る黄金ソースが蟹の澄んだ甘みを引き締め、炭火焼きは藻塩と酢橘で香ばしさを楽しむ。蟹春巻きは柚塩で軽やかに、強肴の活蟹しゃぶは蟹味噌の二味仕立てで味に変化があり、締めは蟹殻出汁で炊いた土鍋の蟹御飯。一杯の蟹を頭から爪まで使い切る流れに、料理人の筋の通し方を感じた。 特に良かったのが日本酒だ。蟹の甘みに寄り添う穏やかな酒から、炭火焼きに合わせる骨のある酒まで、料理の進行に合わせて杯を替えていける品揃えがある。蟹と酒の相性の話で会話が自然と弾み、デザートに日本酒のアイスが選べるのもこの店らしい締めくくりだった。 実務面も記しておく。御徒町駅から徒歩3分、全席個室なので個室希望の交渉が不要、コース制なので当日の注文で迷わない。滞在は2時間半、最終入店21時、部屋数が少ないので予約は早めが安全だ。一人3万円台という価格は、蟹一杯を使い切る内容と、相手と落ち着いて話せた時間を含めて考えれば納得のいくところだと思う。 大切な相手を静かにもてなしたい方に、上野の選択肢として自信をもってお薦めしたい。














