師走二十六日,多くの企業が仕事納めの日。新橋,銀座のビル街にしびれる程の冷たい風が吹き抜ける。赤煉瓦アーチのガード下「日比谷OKUROJI」というネーミングで洒落た店舗が続く,昔日の面影は遠くなりだ。その「OKUROJI」向いのビル6階の「白樺」さんは,昼には定食メニューもある。近隣のOLらしき女性たちはハンバーグ定食を注文,それを見て絶対此処は美味しいと確信。青森ご出身だけに鮪丼まであり,その安さにも驚くばかり。昼コースの先付のすり流しがこれからの料理の期待値を上げる美味しさ,お造りも鮮度良く調味の酸味も上品で食欲を盛り上げる。焼き物に至っては内部のうま味が凝縮され,適度な焦げ目もいぶされた風味も溜らなく美味しい。そしてどの料理も盛り付けが美しい,選んだ材料の彩りも視覚に訴えてくる。そして,お一人で接客をこなし,昼の定食をこなし,予約のコースもこなすご主人は八面六臂の忙しさだが,どのお客に対しても丁寧な対応でとても好ましい。気忙しい日々が続く師走だからこそ,このようなサービスを受け美味しいものを頂けば,気持ちも和らぐというものだ。昔は隔年で訪ねていた程青森が好きだったが,随分ご無沙汰してしまっている,私には長旅がもう難しい。これが年をとったと言うことだが,また機会があれば「白樺」さんに伺って,青森の話をご主人としたいものだ,本当に良い年の瀬だった。